インタビュー
- HOME
- インタビュー
患者さんのつらい気持ちを分かち合い
一緒に治療を考え、ともに歩みたい
こころとからだは切っても切れない関係にあります。たとえ検査で治療の良い結果が出ても、患者さんに不安があれば、治療は終わりではありません。その不安に共感し、ともに前を向いて歩んでいくような、あたたかな診療で患者さん、またそのご家族をフォローしていきたいと思います。どんなお話もじっくりお伺いしますので、気兼ねなくご来院ください。
はじめて来院した方への心掛け
はじめてのクリニックで初対面の医師の診察を受けるとなれば、誰でも緊張して自分のことを話せなくなるものだと思います。
ご本人がリラックスして自分のことを話せるように、「どうされましたか?」と話しやすいようにやわらかくお話をお伺いしていきます。ゆっくりと対話を重ね、一緒に治療計画を考えたいと思っていますので、どんなことでも気兼ねなくお話しいただければと思います。
また、心療内科の患者さんは近年増加傾向にあり、何カ月先まで予約で埋まっているという医療機関も多くあります。当クリニックで午前中は予約なしで受診できるようにしているのは、いま治療が必要と感じている方を突き放してしまわないようにという配慮のもとです。ご自分のタイミングを逃さず、今日診てもらいたいというときは遠慮なくいらしてください。
当クリニックの診療方針
患者さんの立場になって一緒に考えます
モットーとしては、患者さんにやさしく接すること。そしてわかりやすく説明することを心掛けています。治療というのは医師が一方的に与えるものではなく、主体である患者さんが自発的に医師と一緒に改善していくものだと考えています。ですから、診療を終えるときも「また診察に来てください」ではなく、「またお会いしましょう」という感じでお声掛けしています。
医師として患者さんの診療をおこなっていて、最近とくに思うのは、検査結果ではなにも異常はなくとも、患者さんのつらい状態は変わらず悩みが解消されない場合があるということです。
そういう方に対して、そこで治療を終わりにせずに、その方の立場になって、そのつらさを分かち合うことも大切なことだと考えています。医学的な技術や知識だけではなくて、患者さんの悩みや不安を軽減するにはどうすればよいのかを一緒に考えていくことも、医師の役割ではないかと思います。
今後力を入れていきたいこと
初期認知症患者さんのサポートと予防
現在、「神奈川県横浜市西区認知症初期集中支援チーム」として、2015年から認知症の方を医療につなげ、ご本人が望む生活をサポートする活動をおこなっています。超高齢化社会を迎えた日本では、これからますます認知症の患者さんが増えていくと予測されます。治療はもちろんのこと、認知症予防にも力を入れていきたいと考えています。
具体的には、糖尿病・高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病をしっかりと治療することで、認知症の予防および進行の抑制が可能です。また、十分な睡眠や食事、簡単な運動も認知症予防において欠かせません。どれも基本的なことですが、私を含め実際にできていない人が多いのではと思います。
たとえば、「毎日8000歩あるく」などと大きな目標を立てるのではなく、楽しみながらできるようにすることが大切かなと思います。友達を誘ってたまに散歩に行ったり、季節を感じる花の名所に行ったり。ほかにもなにか楽しめる趣味を持つこともおすすめです。
スタッフの人柄について
自慢のやさしいスタッフです
スタッフはみなやさしいというのが当クリニックの自慢できる点です。つくられた義務的なものではなく、その人が自然と持っているやさしさで、患者さんに対応してくれています。足が不自由な方がいらっしゃれば寄り添ってあげたり、具合が悪そうであれば声をかけてベッドに寝かせてあげたり。病院に来る方は誰でも不安を持っていると思いますが、患者さんの気持ちになって物事を考えられ、寄り添えるのがうちのスタッフのよいところです。
クリニック内のミーティングでも、「こういう方にはどう接するのがよりよいのか?」などとそれぞれが自発的に向上心を持って、意見交換も意欲的にやっています。やさしいこころを持ったスタッフが集まってくれて、本当にありがたいと思います。
おすすめのストレス解消方法
セルフイメージトレーニングで心静かな時間を
私が講演をするときにもよく質問されるのがストレス解消方法です。実は開院当初、頑張りすぎて私自身ストレスが溜まってしまったことがあります。お酒では解決しないほうがいいですから、それで始めたのが、「セルフイメージトレーニング」です。毎日10~20分、夕方や寝る前など、音楽を聴きながら目をつぶって、こころを落ち着かせる静かな時間をつくっています。
ほかには、私は神社の凛とした雰囲気が好きで、よく気分転換に近所の杉山神社に行きます。澄んだ空気の中でリフレッシュできるからです。以前は御朱印集めもしていましたが、「集めなきゃいけない」という気持ちになってしまうので、私はやめました。合う合わないはあると思いますが、ストレス解消には義務にならないような楽しみを見つけることがよいかなと思います。